RINGOMUSUME(りんご娘)の魅力を掘り下げてみる

新潟のアイドルユニットNegicco(ネギッコ)が主催するライブフェス『NEGi FES』。

今年は10月3日(土)にオンライン配信で『NEGi FES 2020 ONLINE』として開催されます。

出演者はNegicco、同じく新潟のアイドル・RYUTist(リューティスト)、そして青森のアイドル・RINGOMUSUME(りんご娘)という地方を拠点とするアイドル3組です。

3組とも好きな私にとっては“俺得”なイベントなのですが、前記事で書いたようにNegiccoRYUTistは割とファンが重なっているのに対して、Twitterのタイムラインを見ているとRINGOMUSUMEは初めてという方がそれなりにいらっしゃるように感じました。

また個人的な話として、RINGOMUSUMEに関してはまだまだ新参のファンであるためブログ等に書いたことがなく、一度しっかりと書いておきたいという思いがありました。

そこでこの良きタイミングに、RINGOMUSUMEについて魅力を掘り下げるという名目のもと本記事にて好きを語っていきます。

ringomusume.com

 

RINGOMUSUMEとは

RINGOMUSUMEは2000年に青森県弘前市で誕生したダンスボーカルユニットで、「Cool & Country」をコンセプトに農業活性化アイドルとして活動しています。

今年は結成20周年で全国ツアーを開催予定でしたが、この状況により中止。

私も北海道の2公演を観に行く予定だったので残念ですが、また次の機会を待ちたいと思います。

ちなみに表記については私も詳しくは分からないのですが、アーティスト活動時はキャピタルで「RINGOMUSUME」が用いられており、「RINGOMUSUME(りんご娘)」のように併記されたり、メディアによっては従来の「りんご娘」も使われています。

RINGOMUSUME(りんご娘)

現メンバーは写真左から「ジョナゴールド」「とき」「王林」「彩香」の4人で、いずれも青森県産りんごの品種名が使われています。

青森ではテレビやラジオなどレギュラーを多数持っており、広告に起用されることも多く、まさに地元に根付いているという言葉が相応しいと思います。

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個人的に「私たちは」と挨拶に「は」をつけるアイドルさん丁寧で好きなんですよね。
国スポのイメージソングを任されるほどの存在です。

リーダーの王林さんは東京のテレビにも度々出演していて、今も地元に住みながら日本テレビ『THE突破ファイル』のレギュラー出演者でもあります。

メディア露出が多いので王林さんなら知っている方、あるいは王林さんをきっかけにRINGOMUSUMEを知った方も多いかと思います。

私も王林さんが2018年2月にNHKで全国放送された『アオニサイ』に出演しているのを観て、その出来事がきっかけとなりRINGOMUSUMEに興味を持ちました。

ときさんは現メンバーの中でRINGOMUSUMEとしての在籍期間が最も長く、『さんまのスーパーからくりTV』の「芸能人かえうた王新人戦」にメンバーとして出演していました(ちなみに王林さんも当時妹分ユニットの「アルプスおとめ」のメンバーとして出演していました)。

王林さんとときさんは同い年で、2人で苦しい時期に活動していたこともあり、お互いを「愛方」と呼ぶほど絆が固いです。

そして2015年に加入したジョナゴールドさんと彩香さん。

「芸能人かえうた王新人戦」にもジョナゴールドさんが出演しておりましたが、そちらは初代のジョナゴールドさん。

現メンバーは2代目のジョナゴールドさんで、「J」という愛称で呼ばれることもあります。

最年少の彩香さんは「あやか」ではなく「さいか」と読みます。

なんと彼女は身長が177cmで、現在も伸びているらしい。。

RINGOMUSUME(りんご娘)

そして驚きなのが、ご覧の通りRINGOMUSUMEには170cm超えのメンバーが3人もいるんです。

平均身長170cmというワールドクラスさ。

他のアイドルグループにも身長の高いメンバーはいたりしますが、ここまで身長の高い方が揃うのは稀です。

小さく見えるジョナゴールドさんも160cmで全然小さくないですし、ベルクマンの法則よろしく北国のアイドルは背が高いのでしょうか?

青森の魅力を色濃く表現した高品質な楽曲とMV

洗練されたRINGOMUSUME

バラエティ番組で活躍する王林さんは認知していても、りんご娘に関してはよく知らないという方もまだまだ多いと思います。

また昔りんご娘を見たときの記憶で止まっていたり、マスメディアが「ご当地アイドル」をバイアスかけて取り上げたものを見て、ネガティブなニュアンスでの「いなたい」印象を持っている方も多いはず。

実際私も最初はそうでしたが、MVを観てその印象は覆されました。

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国民的アニメソングカバーコンテスト『愛踊祭2016~あいどるまつり~』で優勝したことをきっかけに制作された、現体制での始まりの曲「Ringo star」。

作詞・作曲の多田慎也さんと編曲の生田真心さんはAKB48ポニーテールとシュシュ」を手がけたコンビで、振付はアイドル界隈で有名なミキティー本物さん。

MVの制作には水曜日のカンパネラマリー・アントワネット」でお馴染みの藤代雄一朗さんやりんご飴マンさんが関わっており、映像美が印象的です。

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「Ringo star」以降、多田慎也さんのプロデュースにより制作されていく楽曲の数々は高品質で洗練されていて、メジャーのアイドルさんに遜色ないどころか食ってしまうのではというほど良いです。

EDM系のダンスミュージックを中心にデジロックから普遍的なバラード、民謡を取り入れた曲まで幅広く、津軽弁を織り交ぜた歌詞、青森やりんごの魅力、郷土愛などをテーマにした楽曲は、青森出身でない者からしても素直に心に響きます。

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私がRINGOMUSUMEを好きになる決定打となった「101回目の桜」。

弘前の桜と死生観をテーマにした楽曲で、このようなまっすぐで世代関係無く響く曲を歌えるアイドルさんは希少であると思います。

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青森空港公式イメージソングの「JET GIRL」。

キャッチーで爽快な夏に似合うダンスチューンで大好きです。

この曲あたりから本格的にサウンド面においてメジャー感が出てきています。

日本テレビ『沸騰ワード10』で王林さんがときさんを運転手として連れてきていましたが、この「JET GIRL」のMVでもときさんが運転している姿が観られます。

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弘前の中三デパートで撮影された「Ringo disco」。

アルバム曲ながらライブのキラーチューンにまで成長した曲です。

このMVを観ると東京じゃなくても工夫次第で最高にクールなものを作ることは可能であると確信させてくれます。

りんご娘のイメージをガラリと変えるに十分なMVだと思います。

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うって変わってキュートな、K-POPダンスミュージック的アプローチが特徴的な「Kimi-Dake」。

青森の名産とうもろこし「嶽きみ」と恋心を重ねた言葉遊びのような歌詞も良いし、MVの後半からオチにかけての展開も秀逸で好きです。

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青森のりんご農家をはじめとする第一次産業の朝を描いた「0と1の世界」。

りんご娘だからこそ歌える曲で、非常に胸を打たれます。

MVの映像美も素敵で何度も観たくなります。

傑作アルバム『FOURs』

RINGOMUSUME入門編として最もおすすめな作品が、昨年リリースされたオリジナルアルバム『FOURs』。

こちらは多田さんがトータルプロデュースを務めたアルバムで、青森の四季をテーマにそれぞれの楽曲で物語が描かれていて季節を巡るような構成になっています。

「1625」は故郷を出て上京した経験のある者にはグッとくる歌詞で、落ちサビを歌うのが王林さんであるのも現実と重なって沁みます。

中盤に来る切ない夏のバラード「夏ノ蜜柑」も良いし、「リンゴのうた」はりんごソングとして一番好きです。

また本編の締めに歌われる「FOURs」が名曲で。

それまで四季の情景を歌ってきたRINGOMUSUMEが初めて自身のことを歌い、四季の“FOURs”とRINGOMUSUMEの4人の“FOURs”が重なるのです。

曲順と緩急も見事でミックスも良いし、10曲という丁度良いボリュームも私好みです。これ意外と大事。

音楽系メディアで取り上げられなかったのが本当に残念だったので、CDショップ大賞の東北ブロック賞を受賞したときは少し救われた気持ちになりました。

過去曲もブラッシュアップ

最新作は先週リリースされたばかりのアルバム『Cool & Country』。

この作品は歴代のりんご娘が歌い継いできた楽曲をリアレンジして現メンバーが歌い収録したアルバムです。

以前は正直いなたい印象を感じてしまっていた楽曲もありましたが、秀逸なリアレンジにより強度を増してより磨かれた楽曲になっています。

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冒頭の猫背な眼鏡姿の彩香さんが良い味出してます。

「LOVE & SOLDIER」は原曲では当時の影響色濃いフレーズが割とストレートに使われてたりするのですが、よりルーツ側から再構築したようなアレンジになっていて非常に良いです。

他にも「A.D.D」は強靭なビートのR&Bでジャネットみたいで格好良いし、「Give me Power!!」はさながらMAXやSPEEDのような90年代R&Bで、どちらも三味線の使い方が実に気持ち良い。

ギターロックな「Fly High」やムード歌謡な「焼きりんご」や王道バラードの「バスターミナル」など多彩な曲調に歴史を感じるし、歌い上げるRINGOMUSUMEのスキルの高さを感じます。

独特で濃厚なキャラと津軽弁で繰り出す面白いMC

ライブにおいてもメディア出演時においても、RINGOMUSUMEの濃厚なキャラとトークは大きな強みとなっています。

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分かりやすいところでは全国で活躍している王林さん。

王林節とでも言いますか、あのボキャブラリーが独特なトークは数々の芸人さんをも唸らせるほど癖になります。

独特なんだけどなぜか言いたいことは理解はできるんですよね。しかもどこか哲学的だったりして。

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上の動画でも言われていますが、その王林さんよりもヤバいと言われる強烈さがあるのがときさん。

マイペースで突拍子も無い動きをしたり、YouTubeや公式Instagramを観れば「実はときが一番面白い」と言われる理由が分かります。

メンバーや親しい人たちといると笑いの中心にいるのはときさんであることが多いです。

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最年少の彩香さんは4人の中では大人しめではありますが、笑い上戸なイメージ。

そんな3人のボケに対して、ジョナゴールドさんは唯一ツッコミ的な立ち位置のメンバーです。

一方で自らボケに行ったりトークで笑いも取れる、頭の切れる方です。

王林さんとときさんが暴走してボケの渋滞を起こし、ジョナゴールドさんが拾いまくり、彩香さんの引き笑いが響いている、というのがRINGOMUSUMEの鉄板のパターンという感じでしょうか。

以上のように4人それぞれキャラが濃厚であるのに加えてテレビやラジオ出演経験が豊富でトークが鍛えられているんですよね。

特にお笑い芸人のあべこうじさんがMCを務めるABA『夢はここから生放送 ハッピィ』、某所で拝見したことがありますがあの番組はかなり鍛えられそうです。

津軽弁というそれだけでフックになっているし、天然系(あまり好きではない表現ですが)の面白さとトーク技術の面白さを兼ね備えているので、比肩するアイドルさんが見当たらないくらいの無敵さだと思います。

歌唱力とダンススキルの高さが為す折り紙付きのライブ

これまで載せたMVでお分かりかと思いますが、歌唱力もダンススキルも高いです。

当然、ライブでも十二分に魅せてくれます。

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「JAWAMEGI NIGHT!!」のエネルギッシュなパフォーマンス。

長い手足を活かした迫力のダンスと高い歌唱力、王林さんの煽りと見所たくさん。

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多田さんのピアノ伴奏で披露した「夏ノ蜜柑」。

ごまかしの利かない生演奏で椅子に座ってのまっすぐ丁寧な歌唱とハモりが素晴らしい。

歌い出しと歌い終わりのジョナゴールドさんの安定感が見事です。

RINGOMUSUMEは曲調に合わせて歌唱を変えていますが基本的にまっすぐな歌い方で、4人全員がしっかりとコーラスできることも良いですね。

身長が高く手足が長いのでダンスが映えるし、振りやフォーメーションもユニークかつ綺麗で印象に残ります。

それに加えて妥協せずにパフォーマンスを追求し、一つ一つのライブを大切にするプロフェッショナルさ。

私も何度か生で拝見していますが、いずれのライブも魅了されましたし、観るたびに感心しています。

まとめ

以上のように、RINGOMUSUMEは青森の色をしっかりと出しながら作品の質が高く、またライブパフォーマンスも素晴らしいです。

時にクールで時にキュートで時にエモーショナルで、一方でMCは緩くいなたく破壊力抜群で。

この緩急に翻弄されまくり、気づいたら虜になっている。

これがRINGOMUSUMEの魅力だと私は思います。

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negicco.net

NEGi FES 2020 ONLINE

[日時] 10月3日(土)14:00〜 ※17:00終了予定
[出演] Negicco, RYUTist, RINGOMUSUME
[視聴チケット] 500円

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